2007年08月

2007年08月30日

諏訪地方の古代ロマン・神長官守矢史料館

素敵な空中茶室を眺めた後、たどり着きました

茅野市 神長官守矢史料館

高過庵が見える道路を道なりに下ると、目的地「神長官守矢史料館」に到着です。

こちらの史料館は、諏訪大社上社前宮の記事でご紹介した、諏訪地方に古くから鎮座する(というか、本来の日本人の信仰の元でしょうかね)ミシャクジ神(ミシャクヂ・ミサグチ・ミシャグチとも呼ばれる)・・・それは樹であり、石であり、自然の精霊・・・が降りてくる生神様「大祝(おおほうり)」の神の声を聴いたり、願い事をする力をもっていた神長官(じんちょうかん)という筆頭神官の史料館になります。

守矢とおっしゃる方が七十六代まで神長を勤め、一子相伝の口伝えにより、歴史を伝えてきたのだそうです。
守矢・・・あ、上社のご神体は守屋山ですね。
きっとこれにも深い関係があるのでしょうね。


細かい話は後にして、まずはその素敵な建築物をご覧頂きましょう。

高過庵と同じく、建築家は藤森照信(ふじもり てるのぶ)さんで、こちらの神長官守矢史料館は、彼の処女作になります。


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素敵ですね!
個性的ではありますが、その土地にとっても馴染んじゃってますね。
昔からそこに建っていた・・・そんな感じさえします。

鉄筋コンクリートの構造の上に、壁部分には内側外側共に特別調合の壁土が塗られています。
一部壁土の上には、サワラ手割板をかぶせています。
手作り感たっぷりですね。
パンフレットに載っている建物はまだ新しい頃のもので、その板は土壁のような黄土色ですが、月日が経った今では黒っぽい風合いになっていますね。
屋根には、地元の平石と天然スレート(粘板岩を薄い板状に加工したものですが、天然物は粘板岩が圧力で変質したもので、非常に高価らしい・・・)をのせています。
正面入り口の飛び出ている四本柱は地元産のミネゾウの樹を使っているそうです。


入館料は激安!大人100円也。
入り口で靴を脱いで、早速中に入りましょう。

「おめでとうございます~。アナタが10万人目の入場者ですよっ♪」
なんて、お話好きな係りのおじさまの明るい挨拶に迎え入れられ、涼しい館内に。
「ご興味があるのは建築ですか?それとも歴史ですか?」
と尋ねられ、思わず「りょ・・両方関心があります!」と答えてしまいました。


そんなに広くない館内には、古代において「洩矢(もりや)の神」と呼ばれ、千数百年以上におよび諏訪大社の祭祀を司っていた守矢家の、狩猟時代の時代をくむ諸資料が所狭しと展示されています。
もちろん、藤森建築の温かみのある建物の内部も見所いっぱいですよ。


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味わいある窓


質感のあるガラスがあしらわれている可愛い小窓からは、遠くの高過庵が眺められます。


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土壁の質感


外観ともに、素朴で温かみが感じられますね。
壁と階段の境目が優しい曲線です。

・・・
・・

神長官守矢家が司る諏訪大社上社の祭祀のうち、もっとも大掛かりで神秘的なのが御頭祭(おんとうさい)。
上社前宮の記事でご紹介した前宮の十間廊(じっけんろう)で行われる 『神と人との饗宴』 のお供え物の一部を、復元展示しています。
この祭は、原始時代からの狩猟・農耕さまざまな信仰が重なり合った複雑極まりない祭祀ですが、ここでは天明4年(今から二百二十年ほど前)の菅江真澄の江戸期のスケッチに描かれたものを復元しています。

少々シュールですが、ご覧下さい。


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供物の一部


御頭祭は春の祭です。
冬から春になるまで前宮に造られた御室(みむろ)と呼ばれる竪穴住居に篭り神事を行った後の春の祭りです。


前宮の記事でご紹介した、「冬に神と人が篭る」という神秘的行事ですが、手元の資料をしっかり読んでみると、さらに面白いことが書かれていました。

「ミシャクジ神は、冬になると竪穴住居の中に籠る。同時に巨大な蛇体も中に入れられこの竪穴の中で、神と人と蛇が一緒になって御頭占、筒粥占といった冬季の重要な神事が行われる。」
(長野県茅野市「神長官守矢史料館のしおり」より抜粋)


・・・なんとなんとっ!神と人と大蛇が一緒に冬籠りですか。
動物と人間が籠ると言えば南総里見八犬伝?!とか、餌になったりしないのだろうかとか、色んな妄想が頭の中を駆け巡りました。

春の3月になると、ミシャクジ神は動物達が穴から出、植物達が芽吹くのと同じ様に、竪穴から地上によみがえってきます。
そして、3月の酉の日、『神と人との饗宴』があり、その後にミシャクジ神は地方巡行に出発するんだそうです。


では、それぞれのお供え物について、簡単にご説明しましょう。


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ずらーり勢ぞろい?!


神前に献ずる鹿やイノシシやカモシカの生首。
実際には七十五頭の首がずらりと並んだそうです。
頭だけでなく体全部が献ぜられた時代もあったとか。
現在では剥製を使って神事が行われているそうです。


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耳裂鹿(みみさけしか)


左側の耳が裂けていますね。
七十五頭の首の中には必ず、神の矛(ほこ)にかかったといわれる、耳の裂けた鹿がいたそうです。
これは「高野の耳裂鹿」と言い、七不思議の一つに挙げられています。


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うさぎの串刺し!や焼皮


私の食いしん坊ブログも、遂にウサギの串刺しまでご紹介する程になりましたよ笑。

野の白ウサギを松の棒に串刺しにしています。
どうやら、死後間近なものを刺したようです。
ウサギの右の串は、何かの動物の皮を焼いた料理で、鹿か猪だろうと考えられています。
左の串は、海草の「あらめ」。
海のものだから、貴重だったんでしょうね。
左の樽の串刺し二つも、猪や鹿の皮を焼いたものと考えられています。


神人一体になって供え物を食べ、饗宴を催します。
また、謎の儀式もやはり多くあったようで、例えば「おこう」という紅の着物を着た子供を御贄柱(おにえばしら)とともに押し上げ、その後、立木に縄で縛りつけたりする儀式。
かつては「おこう」は殺されたと伝えられています。

・・・
・・

その他、守矢家に伝来する古文書、大祝の即位化粧具、武田信玄の上社への文書や、拝領の十角五重箱等も展示してあります。


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次回は、この神長官守矢史料館裏に佇む「御頭社宮司総社」、ミシャクジ神を祀っている祠などをご紹介します。
実はこちら、守矢家敷地内なんです。




■スポット情報


住所 長野県茅野市宮川389-1
    地図
時間 9:00-16:30
電話 0266-73-7567
定休 月曜・年末年始(12/29-1/3)
    国民の祝日の翌日
    (ただしこの日が月曜だとその翌日も休館)




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たしかに高すぎです・・・高過庵

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at 00:27|PermalinkComments(5)TrackBack(0)★長野県・諏訪大社など 

2007年08月23日

たしかに高すぎです。

感動の諏訪大社上社前宮を後に、本宮方面へ田舎道を進みます。
次なる目的地は、
神長官守矢史料館(じんちょうかんもりやしりょうかん)」。

・・・が、道に迷ってしまい坂道をてくてく登ってしまいました。
ちょうど地元の方が二人いらしたので、場所を尋ねてみると、もと来た道まで一旦戻ると良いとのこと。
しかし、隣の方は「戻らなくても、もう少し坂道を登って右に曲がって道なりに下ると見えてくるよ」と。


どちらのルートにするか少し迷いましたが、せっかくなのでもう少し坂道を登る後者のルートを選択。
下り道に差し掛かった時、左手には立派な墓地が。
案内看板もあったので、きっとまた歴史がある場所なんだと思います。

ふと右手の下り側に目をやると、木々の隙間から目的地である神長官守矢史料館が遠くに見えました。
やったー、あともう少しでたどり着けそう。


ふと、その手前に目をやると・・・


・・・
・・

わーっ!!!


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人がいない田舎道で、思わず絶叫!!

小さくて可愛い家が宙に浮いています。
いや、木で支えられているではありませんか。
これはまるで、ジブリの宮崎駿さんの映画やおとぎ話に登場しそうな建物。

実は、この建物。
今回諏訪の旅で、是非行って行ってみたかった場所だったのですが、どこにあるか詳しく分からなかったので、行くのをあきらめていたスポットだったのです。


たまたま坂道を登って目的地に向かう選択をしたため、こうして見つけることができたんです。
もしかして導かれちゃった?なんて思うぐらいの感動。

道路から、建物のある畑に入る通路があったので、ちょっとおじゃまして写真を撮らせて頂きました。


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緑と空の青にとっても映えます


ツリーハウスのような小さな建物は、二本の木の柱で支えられているのみです。
地面に長いハシゴが置いてありました。
このハシゴをかけて、途中まで登るんです(確かそのはず)。


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すぐそばにあった祠


藁でできていて可愛いですね。
四方には、ちゃんと御柱も立っています。


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お花畑とともに


少し下るとお花畑。
そこから眺めるお姿も素敵。

この建物、実は高過庵(たかすぎあん)という茶室なんです。
ちょっと高すぎたかな・・・という事で、高過庵と名づけられたそうです。
建築家は、東京大学生産技術研究所教授の藤森照信(ふじもり てるのぶ)さん。
2004年に施工されました。

個人的に興味のある話なんですが、藤森さんは東北大学工学部建築学科卒業で、元オフコースの小田和正さんと同期なんですよ。

日本近代建築史研究の第一人者である藤森さんが、自ら建築作品を手がけるようになったのは、1990年の事。
以来、形式にとらわれることのない独創的な建築の数々を発表し建築界に響きを与え続けてきました。

私が藤森さんとその建築を知ったのは、今回の諏訪旅行を企てている最中の事。
諏訪の情報収集をしている時、目に飛び込んできました。
と、同時に花宵さんのブログから、東京オペラシティアートギャラリーで『藤森建築と路上観察』が催されていると知り、最終日に転がり込みました。
心をくすぐられるような楽しい藤森建築の数々・・・
写真を見ているだけでも感動して涙が出そうになりました。
ちなみに、同時開催「路上観察」も、その場で転げまわりたくなる程ツボにはまりました。


藤森建築は、施工にあたり藤森さんご自身、友人、施主からなる「縄文建築団」を結成して手造りするんです。
ギャラリーでは、この高過庵を建築しているドキュメントのビデオを観ましたが、壁のざらざら感や屋根の質感等はまさに手作りだからこそだせる味わい。
屋根の銅版は、縄文建築団が「いやあ~疲れますなぁ・・」なんてぼやきながら、どう見てもメチャメチャ楽しそうに自分達で折り曲げて打ち付けていってました。
私の目には、大の大人が幸せそうに遊んでいるように映ったんです。

一度本物を見てみたい。
その夢が思いもかけず叶いました



・・・
・・


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乞食塚古墳・甑塚跡


道に迷っている時に見つけました。
古墳と分かってしまうと、通り過ぎるわけには参りません笑。

別名「コシキ塚古墳」とも呼び、昭和7年に道路拡張工事によって破壊された横穴式石室円墳です。
765年(天平神護元年)に、日本で鋳造発行された銭貨である神功開宝が出土したそうです。
このほか、直刀・子持勾玉・ルリ小玉・ヒスイ丸玉や高杯・轡(くつわ)などの馬具、人骨など多数出土したそうです。


この古墳の主は、相当の権力者だったんでしょうね。
乞食がよく宿にしたのが名前の由来だといわれています。
現在は、長方形の石一基のみが残っています。


次回、本来の次なる目的地である「神長官守矢史料館」をご紹介します。
前宮の回で登場したミシャクジ神や、神長官の諏訪の古い歴史を語る史料館です。
そして、神長官守矢史料館は藤森さんの処女作なのです。





■高過庵情報


場所 長野県茅野市宮川
   藤森さんの生家近くのプライベートな茶室です

アクセス 神長官守矢史料館の横の上り坂を登っていくと、
      道路から確認できます



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2007年08月20日

諏訪大社 -上社前宮-

諏訪大社 -上社前宮-

諏訪大社四社巡り、一番最後を飾るのは上社前宮です。
場所は、本宮の東に約2キロなので、本宮からゆっくり歩いて30分ほど。
JR茅野駅から約4キロ、車で5分程度の、山の裾野に鎮座しています。
私が最も感動した場所です。
それが伝えられたら嬉しいな・・・と思います。

前宮は、四社の中では最も素朴でシンプル、場所も少し離れているからか観光客もほとんど目にしません。

境内の大半を占めるゆるい山の斜面の広場を神原(ごうばら)といい、諏訪の神様が最初に前宮に居を構えられ、諏訪信仰発祥の地と伝えられています。
なので、上社にとっては最も由緒深いところとされています。


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神殿跡と鳥居


昔、この一帯は上社の祭祀の中心地で、大祝(おおほうり)(☆)の住まいである神殿(ごうどの)と、それに付属する数多くの建物が軒を連ねていたそうです。
しかし、室町時代の中頃に大祝が住まいを他に移したため、多くの神殿は消滅し、現在では祭典に必要な建物だけになりました。

今ではこんなに静かだけど、当時は厳かで神聖な雰囲気だったんでしょうね。

(☆)大祝(おおほうり): 
生神、現人神(あらひとがみ)のこと。
タケミナカタノカミ(武御名方神)の子孫である諏訪氏が、大祝という生神の位に就いていました。
大祝は、諏訪大神が自分の体として選んだ成年前の幼児が即位し、最高統率者でした。
神殿に居住して郡外には出ず、人馬の血肉に触れず・・・等、清浄を重視していたそうです。
また、大祝の分身である童児は、信州の三つの地域からそれぞれ一年毎に選ばれて、一定期間の籠りをした後に前宮での神事にしていました。


諏訪大社の祭政体は、ミシャクジ(ミシャクヂ・ミサグチ・ミシャグチ)神という木や石など自然の精霊なのですが、そのミシャクジ神の祭祀権を持っていたのは神長官という職の人。
大祝の即位にあたっての神降ろしの力や、呪術によって神の声を聴いたり神に願い事をする力は神長のみが持つとされ、信仰と政治の実権を持っていました。
よって、諏訪の地には、古代から中世にかけて、大祝と神長による信仰と政治の一体化した諏訪祭政体が続いていたようです。

現人神の大祝に自然の精霊ミシャクジ神に神長・・・古代、この地でどんな事が行われていたか想像するだけでもゾクゾクしちゃいますね!!
神長とミシャクジ神、武御名方神との関係や、古代の祭祀については、後日またご紹介しますので、お楽しみに?!(待ってる人、います??)



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十間廊(じっけんろう)


鳥居の左側にたたずむこちらは、間口3間、奥行き10間もの大きな建物。
間(けん)は、尺貫法における長さの単位で、1間は約1.8182メートルです。
その奥行きから十間廊と呼ばれていますが、昔は神原廊とも呼ばれていました。

上社最大の神事である御頭祭(おんとうさい)(後日ご紹介します)は、この上段に神輿を安置して三月の酉の日に執行しました。
明治以後、御頭祭は4月15日に行われ、本宮で例大祭を済ませた後、行列を整えて神輿を渡御して、この建物の上段の間に安置して神事を行なうそうです。


・・・
・・

前宮の御本殿である社殿は、こちらにはなく、ここからからさらに200mほど登った高台に位置しています。
早速向かいましょう。

途中、右手に大きくて立派なケヤキが目に入りました。
ケヤキの根元には小さな石の祠があり、この場所は「御室社」であったという説明の看板が立っています。

説明によると・・・

「中世までは諏訪郡内の諸郷の奉仕によって半地下式の土室が造られ、現人神の大祝や神長官以下の神官が参篭し、蛇形の御体と称する大小のミシャクジ神とともに、「穴巣始」といって、冬ごもりをした遺跡地である。
旧暦十二月二二日に「御室入り」をして、翌年三月中旬寅日に御室が撤去されるまで、土室の中で神秘的な祭祀が続行されたという。
諏訪信仰の中では特殊神事として重要視されていたが、中世以降は惜しくも廃絶した。」


ええっ!12月から3月まで半地下で神様や神官が冬ごもり?!
密室の中で繰り広げられる神秘な祭祀・・・。
非常に面白い。



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前宮の本殿


御室社から更にのどかな田舎道をすすむと、大木につつまれた上社前宮の社殿が現れます。
自然と一体化した、素朴で神々しく美しい本殿。
現在の建物は、昭和7年(1932)に伊勢神宮の古材を使って建てられました。
こちらに、大祝が住んでいたんですね。

じりじりと日差しが容赦なく照りつける暑い日でしたが、大木に囲まれたここだけは涼しかったんです。
他ではミンミンゼミが鳴いているのに、この辺りだけカナカナが鳴いていました。


さらに暑さを和らげてるれるのが・・・


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自然と一体化している手水屋


本殿の横には、水眼(すいが)と呼ばれる小川が、里に向かってサラサラと流れています。
この川の清水は上社の御神水として大切にされてきたもので、前宮に参拝する際には、水眼で口をすすぎ清めてお参りします。

奥に見えるのが4つの御柱のひとつ。
ほかでは三と四の御柱は本殿の奥にあり、お目にかかれないのですが、前宮では4つ全ての御柱を拝見することができます。



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清流のせせらぎが聞えますか?


キリリと冷たい御神水は、疲れた体を癒し、心も和みました。
参拝する地元の方や、ほんの少しの観光客しか来ない静かな時間も流れています。


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燦然と輝く光を浴びてそびえ立つ御柱



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本殿奥の大木たち


しばらく見惚れてしまいました。


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参拝を済ませた後、一時間ほどのんびりと前宮の木の下で涼みました。
自然のパワーをたっぷりともらえた気がします。


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下界と違って、前宮本殿の周辺だけは異空間だと思ってしまうような場所。
たとえ不思議なことが起こったとしても、なにも違和感を感じないでしょう。

実際、ほんの少し不思議な体験をしてビックリしましたが、前宮だからこそ起こりえるのかな?と、なんだか納得してしまいました。


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前宮本殿前からの眺め


高台なので、景色が良いです。
ここにいるだけで、とてもすがすがしくて気持ちいい。
昔は、この原っぱ全てが前宮の敷地だったんでしょうね。
現人神である大祝は、この光景を眺めて何を想っていたのでしょうか。
古代の佇まいに想像を膨らませつつ、前宮の話はおしまい。


次回は、前宮から本宮に向かう途中にある、今回の旅のもう一つの目的地をご紹介します。




■諏訪大社上社前宮


所在地 長野県茅野市宮川2030
     地図




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2007年08月19日

諏訪大社 -上社本宮-

諏訪大社 -上社本宮-

下社春宮と秋宮のある下諏訪から上諏訪駅に移動です。
JR上諏訪駅から上社本宮までは路線バス「かりんちゃんバス」がでているようですが、本数が少ないので、時間に余裕がない方はタクシーでの移動がおすすめです。
上社の二社(本宮と前宮)は、下諏訪駅よりは茅野駅の方が近いので、そちらからタクシーでも良いですね。

では早速、上社本宮をご紹介


上社本宮は、JR上諏訪駅から東南へ6キロ、神体山である守屋山の山麗で中部地方唯一と言われる原生林に抱かれるように鎮座しています。
また、諏訪大社四社の中で、もっとも多く建造物が残っています。

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東参道の銅鳥居


神社の中から東参道を臨んで撮影しました。

鳥居の前には、御手洗川という小さな川が流れ、神橋が架かっています。

本宮の参道は、東参道、西参道、北参道の3つ。
メインの入り口は北参道で、そちら側にはツアーや団体客でとても賑わっていました。
実は先に、本宮から東方面にある前宮に訪れ、歩いて本宮にたどり着いたので東参道から入った訳です。



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長い廊下


東参道側からまっすぐに伸びる廊下は、布橋と呼ばれています。
長さは38間(約70m)で、明治維新までは上社の大祝(おおほうり)のみが通る事のできる廊下でした。
大祝とは、次回の前宮の回で説明しようと思いますが、上社の祭神の後裔で諏訪大神の神格を持つ現人神のことです。
現人神は、いわゆるシャーマンのこと。ワクワクしちゃいますね~!
この廊下には布を敷いたので、布橋のという名がつきました。

布橋を歩いていると、左側にふたつの御宝殿を間近で拝見することができます。
御宝殿の中には御輿が納められていて、一般の神社の本殿に相当する建物で、本宮で一番大切な建物になります。
下社では、幣拝殿の奥にあってなかなか全体を拝見することができませんでしたので、なかなか貴重です。
こちらの御宝殿も、御柱祭のたびに交互に建て替えられます。


この宝殿の屋根からは、どんな干天のときでも最低三滴の水滴が落ちると言われており、「宝殿の天滴」として諏訪大社七不思議の一つに数えられています。
そのことから、諏訪の神さまが水の神として崇敬されるようになったといわれます。
過去にご紹介した「御作田神社の早稲」も七不思議の一つ。


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四脚門


二つの御宝殿(左側の東御宝殿、右側の西御宝)の間には、本宮最古の建物である、四脚門があります。
四脚門は慶長13年(1608)に徳川家康が家臣の大久保長安に命じて造営寄進したもので、別名を勅使門といいます。
とても細かな彫刻が特徴で、頭貫木鼻などの細部様式が桃山時代の特徴を示しているそうです。

背後には、神体山である守屋山がどっしりと構えています。


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参拝所


この拝所は、一般参拝客が入っていくことができる最後の社殿になっています。
参拝所の奥に幣拝殿があります。
御宝殿は守屋山を臨んでいるのに対し、参拝所と幣拝殿は上社前宮のある東方向に向いているのです。

神体山である守屋山を向かずに、前宮の方角を向く・・・。
その訳は、どうやら諏訪大社の信仰と諏訪地方の古代からの信仰で、拝むものが少し異なることから来ているようです。
前宮のある方向に布橋が架かっていることから考えて、大祝(現人神)が住んでいた前宮の信仰に関わるのでしょうね。


有史以前の、その土地の信仰って歴史は深いし複雑に絡み合ってるし、知れば知るほどほんっとに面白いです。
宇宙人がやってきて、そこに神社を建てた!!
なぁんて言われても、思わず納得しちゃいそうなほど、ロマン満載です。
でも、あまりに深すぎて、私には表面部分しか知れませんし語れません。
間違って解釈しているところも多々あると思いますので、皆様、かるーく流してください・・・。


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勅願殿


他の建物とは一段高い場所に勅願殿があります。
元禄三年(1960)に諏訪高島藩によって建てられたもの。
昔、朝廷や諸侯の祈願を行ったところだと伝えられています。

勅願殿の奥は、守屋山がそびえています。

本宮の昔の建物には、極彩色が施されていたそうです。
現存するもの以外にも、沢山の建物が並んでいたとか。
しかし、天正十年(一五八二)に織田信長の兵火のため、山中に逃れた神輿の他はすべて焼失してしまいました。


その後まず仮殿が作られ順次再建され社殿は元和三年(一六一七)に完成しました。
さらに約200年を経て諏訪藩主によって社殿の改築が計画され、立川和四郎二代目富昌が地元の宮大工と共に、天保二年から九年(一八三八)まで八年の歳月を要して現在の社殿を落成させました。



次回は、諏訪大社のラスト!
とっても素敵な上社前宮をご紹介します。




■諏訪大社上社本宮情報


所在地 長野県諏訪市中洲宮山1番地
    
アクセス JR中央線上諏訪駅から東南へ約6km
     「かりんちゃんバス」利用で40分
     (便が少ないので時刻表を確認してください) 
     タクシーですと、茅野駅からの方が近いです。



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2007年08月17日

諏訪大社 -下社秋宮-

諏訪大社 -下社秋宮-

春宮から戻って、今回宿泊した旅館「聴泉閣かめや」そばの諏訪大社下社秋宮に参りましょう。
秋宮は、下諏訪駅の東北約1キロ、春宮からも東へほぼ1キロの地点、旧中山道と甲州街道の分岐点の要所に鎮座しています。

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秋宮の鳥居


温泉街で宿場町、昔はとても栄えていたこの場所にある秋宮には、鬱蒼と緑が茂っていて、神社らしい雰囲気が漂います。

鳥居の手前左手には、千尋池と呼ばれる池があります。
この池には、神社の御手洗川の清流が流れこんでいます。


しばらく進むと、立派な神楽殿が見えてきました。


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秋宮の神楽殿


太くて立派なしめ縄がとても印象的です。

こちらの神楽殿は、三方切妻造り。
切妻造(きりづまづくり)とは、屋根の最頂部の棟から地上に向かって二つの傾斜面が本を伏せたような山形の形状をした屋根を用いた建築様式のことです。


諏訪の工匠で二代目・立川和四郎富昌が天保6年(1835)に建立しました。
諏訪湖の反対側に鎮座する上社本宮も同じく彼の作。


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大きな狛犬


神楽殿の両脇には、とても大きな狛犬がいます。
青銅製では日本一と言われる狛犬で、身長は1m70もあります。
「忠」と「孝」の文字が彫られた立派な台座に座っているので、下から見上げてしまうほど大きいのです。



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圧巻!大きなしめ縄


しめ縄の太さは、出雲大社と同じなんだそうです。

さらに進み、幣拝殿へと向かいましょう。


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秋宮の幣拝殿


幣拝殿とは、祭祀・拝礼を行なうための拝殿と、祭儀を行い、幣帛(神様への捧物)を奉る幣殿が一体となった場所。

二重楼門造りの拝殿と門を兼ねた形式の幣拝殿には、左右に回廊形式の片拝殿と呼ばれる建物が並んでいて、春宮の社殿構造と同じなのが分かります

これらの建物は、江戸時代中期の諏訪出身の工匠初代・立川和四郎富棟が安永10年(1781)の春に落成させたとされています。
春宮を請け負った柴宮長左衛門矩重と技術を競い合ったのですね。


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細かで美しく、躍動感のある生き生きとした彫刻がお見事です。
各所に付けられた建築彫刻はどれも素晴らしく、参拝の後にしばらく見入ってしまいました。

同じアングルで、春宮も撮影していますので表情の違いなど、見比べてみてください。
どちらも素敵ですよ。



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幣拝殿の奥にうっすら拝見できるのが、御宝殿。

幣拝殿の奥には、神社の最古の形式のひとつである神明造りの御宝殿が二つ並んでいます。
御宝殿は茅葺き・切り妻・平入りの簡素で古風な形式を持ち、申・寅の7年ごとに左右を順番に新築するんだそうです。
新しい方を神殿、古い方を権殿と呼び、寅年と申年ごとに左右の御座祭を行っています。

室町時代の記録では、新築後6年間雨風に晒し清めて御遷座をなし、直ちに旧殿を解体新築という形式だったようですが、いつしかこれが逆になり、祭典の直前に旧殿を立て直して新殿に御遷座するようになりました。

御宝殿の奥は、御神座とも言われ、御神木をお祀りする下社のもっとも重要な場所なのだそうです。
上社の神体山に対して、下社では、御神木を御神体としてお祀りしており、古代祀祭の形式を今に残しているんです。


下社の神事のひとつ、御船祭(おふねまつり)は、毎年8月1日に行われます。
2月1日に春宮にお遷しした御霊代(みたましろ)を、神幸行列を以って再び秋宮に遷す遷座祭に引続き、下社例大祭が行なわれます。
この遷座の行列に次いで、青柴で作った大きな御舟に翁と媼の人形を乗せた柴舟を、当番地区の氏子数百人によって春宮から秋宮へ曳行されます。


おもしろいですね。
下社の主祭神である女神の八坂刀売命は、鎮座場所を季節によって変えるのです。
2月から7月まで春宮に鎮座し、8月1日の御舟祭で 秋宮に遷座し、翌年の2月1日に春宮にまた帰座されるのです。


やっと諏訪の旅一日目が終了です。
次回は下諏訪から上諏訪方面に移って、上社本宮と前宮などを訪れます。





■下社秋宮情報


所在地 長野県諏訪郡下諏訪町上久保5828
     地図
交通 JR下諏訪駅徒歩15分ほど
途中、美味しい信州お蕎麦屋さん、「山猫亭」があります。




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at 18:43|PermalinkComments(0)TrackBack(0)★長野県・諏訪大社など