2008年06月

2008年06月13日

-修悦体- 日暮里駅のガムテープ芸術

修悦体ってご存知ですか?


私は、知りませんでした。
しかし、写真を見れば 「あーアレの事か」 と気づく方も多いはず。

場所は日暮里駅。


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これが修悦体


遠くからでも、はっきりくっきりと分かります。
シンプルながらも、個性的。
しっかりとツボを押さえ、かつ調和のとれた気持ちよい文字。

では、もう少し近づいて見てみましょう。


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ガムテープで形作られた、ガムテープ書体


この書体が注目を浴びたのは、2003年に行われたJR新宿駅の大規模な切替工事の時。
毎日多くの人が利用する新宿駅で、利用客が混乱しないように・・・と、駅構内で警備員をされている佐藤修悦さんが、分かりやすい案内表示を自作したのです。

当初は、無断で駅の番線表示を始めたのですが、駅員に褒められて許可が降り、正式に製作を始めました。

それがこのガムテープ書体のはじまり。
彼の名前から「修悦体(しゅうえつたい)」と名付けられ、一部のウェブサイト等で話題となりました。


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カーブの部分など、細かい技が光ります


近づいて見なければ、ガムテープで作られた文字には見えません。

そうそう、なぜ日暮里駅なのかというと、佐藤修悦さんは2007年から再び工事中の誘導係として、日暮里駅で勤務されているからなんです。

日暮里駅に行けば、警備をするかたわら構内案内を作成している佐藤修悦さんにも会えるかも?


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糸偏に感動!


彼のオリジナルフォントに脱帽です。
案内板を見て大騒ぎする私・・・ちょっと浮いていました。

佐藤修悦さんは現在53歳。
岩手県出身で、喫茶店勤務などを経て99年から警備員として働いていらっしゃいます。
特に美術の勉強をされたわけではないのがまたスゴイところ。



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好きな文字は、シンメトリー。
まさに「日暮里」はぴったりじゃないですか。

「駅の利用者に喜んでもらいたいだけ」
謙虚な彼の素敵な作品は、日暮里駅を利用するだけでもれなく楽しめます。


これぞまさしく活きたアートですね。














at 01:38|PermalinkComments(6)TrackBack(0)★上野・谷中 

2008年06月12日

神々から与えられた 四季折々の島・・・


海外旅行を通じ、日本とは全く違う風景や生活をちょっとだけ感じたお陰で、私の国「日本」をほんの少し客観的に眺める事ができました。

他の国ももちろん素敵だけれども、日本にだって世界に誇れる美しい文化を沢山持っています。



菅井えり 「KONJAKU MONOGATARI 今昔物語」








古代から受け継がれてきた、目に見えないものに対する畏れや敬い・・・
いつまでも忘れずに、大切に心に留めておかねばと感じさせる曲です。





「誰でも良かった」


近頃、頻繁に起きる殺人事件で聞かれる言葉。
胸が苦しくなります。

今や日本は物に溢れ、見た目はすっかり豊かになりましたが、心はどうでしょう。
文明の発達や物質によって、果たして幸せになったのでしょうか。
そもそも、本当の豊かさとは何なのでしょう。

青年が、そんな心になってしまったのは何故?
それはきっと誰かのせいなんかじゃなく、私達が作り上げてきた今日の環境に原因があるのかも知れない。

これは決して他人事ではない、自分の心で真摯に受け止めなければならない事。


私の念い。





















at 21:00|PermalinkComments(2)TrackBack(0)徒然 

2008年06月07日

アサクリック! 朝倉彫塑館 @台東区谷中

彫刻/彫塑家・朝倉文夫のアトリエ兼住居

朝倉彫塑館 あさくら ちょうそかん
ASAKURA CHOSO MUSEUM


数年前に観た、テレビ東京の「美の巨人たち」。
この番組は好きで時々観ているのですが、中でも印象に残っているものの一つ、彫刻家・朝倉文夫の作品「墓守」。

場所など詳しいことは忘れてしまいましたが、彼の作品が収められた元アトリエ兼住居の美術館に、いつか訪れたいと思っていました。


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別の目的で訪れた谷中。
近くに彫刻館があると聞いて伺ってみたら、朝倉彫塑館でした。
なんと谷中にあったとは。
ちょっと嬉しいサプライズです。


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朝倉彫塑館正面


朝倉文夫が暮らした谷中は、戦前の家屋などが多く残されており、古い町並みが心を和ませてくれます。

そんな谷中らしい雰囲気を満喫しながら谷中霊園の裏手に進むと、黒い壁が印象的な朝倉彫塑館に到着。
屋上にも作品があります。
ちょっとデジカメズームで撮影してみましょう。



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ずっと座って・・・


何か感慨に浸っている様子です。

さて、彫塑(ちょうそ)とは何かと言いますと、彫刻のように削って形造るのではなく、肉付けをして形造るものなのだそうです。
知りませんでした。


この館の主、朝倉文夫は明治16年に大分県大野郡池田で生まれました。
19歳のとき、彫塑家の兄をたより上京、彫塑を学び、翌年に東京芸術学校(現東京藝術大学)に入学。
20代で大きな賞を受賞し、一躍世に知られることとなりました。
33歳で文展審査委員に任命。
38歳で東京芸術学校の教授に就任し、後輩の指導にあたりました。

もともとは俳句を志し、正岡子規に師事しようと願って上京したのですが、上京した当日はなんと、正岡子規の御通夜だったのでした。
ひょんなことから彫刻の道へ進み、若いうちからその道の才能が開花するなんて不思議な運命ですね。



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そんな朝倉文夫が、東京芸術学校を卒業して住居とアトリエを構え、創作活動を始めたのがここ。
自ら設計・監督をして、8回にもおよぶ増改築を繰り返した後、昭和3年から7年の歳月をかけて新築し、現在の形となりました。

建物は、正面から見える鉄筋コンクリート造り(防水用のコールタールで黒く塗っています)のアトリエと、内部から望める丸太と丈をモチーフにした数寄屋造りの住居で構成されています。

天井の高い、西洋モダンのアトリエ棟と、純和風の美しい木造住宅部分。
中庭には自然の湧水を利用した素晴らしい水庭もあります。
なんとも不思議な和洋折衷ですが、実際に拝見してみると、とてもしっくりくるのです。

彼自身「アサクリック」と称した、独特の様式や居室のたたずまいは、一つの大きな朝倉芸術作品といえるでしょう。

「アサクリック」とは、朝倉文夫自身が作った造語。
おそらく、アサクラ+テクニック=アサクラ流技術という事でしょうか。
私はてっきり、アサクラ+トリックかと思ってしまいました。
トリックなんて、それじゃあまるで忍者屋敷・・・?


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後姿


アトリエの屋上庭園からは、先ほど紹介した建物正面屋上に座っている作品の後姿を眺めることができます。

屋上に庭園があること自体驚きなのですが、なんと大木まで植わっています。
当時、朝倉文夫が彫塑塾を開校していたときに、屋上庭園を園芸の授業のため使用していたそうです。
野菜なども栽培していたそうで、土が浅かったため大根などが直角に曲がってしまったんだとか。



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谷中の街を一望


高い建物がないって、気持ちいい。

写真は3階建てのアトリエ屋上ですが、2階にある東洋蘭の温室として使用していた「蘭の間」には、猫を題材とした作品が展示されています。
彼は動物、特に猫をこよなく愛し、多いときには自宅に15匹程の猫を飼っていたそうです。
猫に囲まれ、幸せそうな表情をした写真もありました。


「たま」「吊された猫」「よく捕たり」など、思わず頬がゆるんでしまうような猫のしぐさのほんの一瞬を見事に捉えたものばかり。
猫が大好きで、常にじっくりと観察していたからこそ創り出せた作品なのだと感じました。


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「雲」


正面玄関の右側に佇んでいる「雲」という作品。
浅草寺の境内にも設置されているそうです。

谷中霊園沿いにぐるっとまわって、旧アトリエがある裏玄関へ。


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裏玄関


旧アトリエの屋根に佇む作品が垣間見えます。


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朝倉彫塑館は2001年に彫塑館の建物全体が国の登録有形文化財に登録されました。
さらに2008年、庭園が「旧朝倉文夫氏庭園」として国の名勝に指定されました。

彼の作品はもちろんのこと、建物自体も大変ワクワクするものでした。
建物自体が彼の大きな芸術作品だと感じます。


奇を狙ったわけではなく、造りは独特でもどこかしっくりと調和している・・・そのさりげないアサクリックには感動!
まるで、ちょっとした大人のアミューズメントパークでした。

少しでも興味を持たれた方、是非ゆっくりと時間をとって訪れてみてください。





■スポット情報案内


住所 東京都台東区谷中7-18-10
    地図
時間 9:30-16:30
電話 03-3821-4549
休館日 月・金曜(祝日の場合は翌日)
     年末年始(12月29日-1月3日)
料金 一般 400円
    小中学生 150円
山の手線日暮里駅北口改札西出口から徒歩3分






















at 20:40|PermalinkComments(3)TrackBack(1)★上野・谷中