2006年08月05日

横浜三塔

横浜には、愛称でキング・クイーン・ジャックと呼ばれ親しまれている古い建物の塔があります。



キングの塔



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神奈川県庁本庁舎


関東大震災で倒壊し1928年(昭和3年)に再建されました。
その際、設計が公募され、当時は東京市の技師であった小尾嘉郎(こび よしろう)の案が採用されました。
国の有形文化財に登録されています。


5階建ての建物の上に、9階までの大きな塔屋が乗っています。
一階の外回りは石張りで、 二階以上はタイル張り。
帝冠様式(洋風の建物に城郭風の屋根を乗せた感じ)の建物と言われています。
この建物の建築様式は、この後の各地の官庁に大きな影響を与えました。

とてもどっしりとした、重厚な感じの建物ですね。
塔のドームの先が、屋根風で、なんともオリエンタル・・・。
キングにふさわしい風格です。


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玄関はこんな感じ。
扉や石の柱には、細かい装飾が施されています。




クイーンの塔


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横浜税関本館


1934年(昭和9年)に建てられました。
開港時の運上所時代の建物から数えて五代目の建物です。
国会議事堂を設計した大蔵省営繕管財局の技師、吉武東里の設計です。

また、終戦後、1953年(昭和28年)まで米軍の司令部として使われていました。

5階建ての建物の上に5階建ての塔屋があります。
三つの建物の中では、一番高さがあります。
(税関は国なので、県庁より低いのは許せなかったらしい?)

一番上の階の窓が、可愛らしい曲線を描いていますね。
また、モスク風の丸いドーム部分や、屋上のデザインを見ても、なんだか女性的。
クイーンと呼ぶにふさわしいですね。


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一階の一部は横浜税関資料展示室です。

普段は意識したことがない、税関のお仕事について詳しく知ることができますよ。
分からないことがあったら、親切な係りの人が、質問にどんどん答えてくれます。

どんどん巧妙化していく大麻密輸入や偽造品、輸入禁止のもの等、日本に入ってくるのを未然に防ぐ最後の砦!
その他、戦後、海外から引き揚げられた方々から預かった通貨等の返還・・・幅広い内容で驚きました!!
ちょっとした来関記念品もありますので、是非訪れてみてください♪




ジャックの塔


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横浜港開港記念館


横浜港は1859年(安政6年)に函館、 長崎とともに開港されたのですが、 開港50年を記念して市民の浄財で1917年(大正2年)に建てられました。
設計は、コンペにより当時の東京市技師福田重義の作品を基に、横浜市の技師である山田七五郎が実施設計を行いました。


赤と白のコントラストが美しいですね~!まるで、東京駅赤レンガ駅舎のようにエレガント。
赤レンガと白い花崗岩で造られています。

ネオ・ルネッサンス様式(19世紀における建築様式で、ルネサンス建築の復興を試みた新古典主義的な様式で、荘重厳正な技巧が特徴)なんだそうです。
3つの塔の中で一番古く、関東大震災と戦災に遭いながら残っている数少ない建物の一つ。

横浜市制100年記念に、屋根やドームが復元されて現在の姿になりました。

時計台があって素敵ですね。
内部には、大小のホールがあり、私が訪れた時は音楽の発表会が行われていました。


三つの塔それぞれに、とても個性的だし、人々に愛されているという事が伝わってきました。
そして皆さんバリバリの現役!!
時代の流れで、周りの町並みは変わっても、いつまでもこの街を見守ってくださいね。



■ 情報


キングの塔・神奈川県庁本庁舎
      神奈川県横浜市中区日本大通1
      グーグルマップ 

クイーンの塔・横浜税関本館
      神奈川県横浜市中区海岸通1-1 
      グーグルマップ
(矢印が右に少しずれていますが、左の横浜税関です)

ジャックの塔・横浜港開港記念館
      神奈川県横浜市中区本町1-6
      グーグルマップ


三つとも近くにありますので、散策にもおすすめです。


at 22:33│Comments(0)TrackBack(0) ★横浜 

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