2008年06月07日

アサクリック! 朝倉彫塑館 @台東区谷中

彫刻/彫塑家・朝倉文夫のアトリエ兼住居

朝倉彫塑館 あさくら ちょうそかん
ASAKURA CHOSO MUSEUM


数年前に観た、テレビ東京の「美の巨人たち」。
この番組は好きで時々観ているのですが、中でも印象に残っているものの一つ、彫刻家・朝倉文夫の作品「墓守」。

場所など詳しいことは忘れてしまいましたが、彼の作品が収められた元アトリエ兼住居の美術館に、いつか訪れたいと思っていました。


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別の目的で訪れた谷中。
近くに彫刻館があると聞いて伺ってみたら、朝倉彫塑館でした。
なんと谷中にあったとは。
ちょっと嬉しいサプライズです。


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朝倉彫塑館正面


朝倉文夫が暮らした谷中は、戦前の家屋などが多く残されており、古い町並みが心を和ませてくれます。

そんな谷中らしい雰囲気を満喫しながら谷中霊園の裏手に進むと、黒い壁が印象的な朝倉彫塑館に到着。
屋上にも作品があります。
ちょっとデジカメズームで撮影してみましょう。



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ずっと座って・・・


何か感慨に浸っている様子です。

さて、彫塑(ちょうそ)とは何かと言いますと、彫刻のように削って形造るのではなく、肉付けをして形造るものなのだそうです。
知りませんでした。


この館の主、朝倉文夫は明治16年に大分県大野郡池田で生まれました。
19歳のとき、彫塑家の兄をたより上京、彫塑を学び、翌年に東京芸術学校(現東京藝術大学)に入学。
20代で大きな賞を受賞し、一躍世に知られることとなりました。
33歳で文展審査委員に任命。
38歳で東京芸術学校の教授に就任し、後輩の指導にあたりました。

もともとは俳句を志し、正岡子規に師事しようと願って上京したのですが、上京した当日はなんと、正岡子規の御通夜だったのでした。
ひょんなことから彫刻の道へ進み、若いうちからその道の才能が開花するなんて不思議な運命ですね。



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そんな朝倉文夫が、東京芸術学校を卒業して住居とアトリエを構え、創作活動を始めたのがここ。
自ら設計・監督をして、8回にもおよぶ増改築を繰り返した後、昭和3年から7年の歳月をかけて新築し、現在の形となりました。

建物は、正面から見える鉄筋コンクリート造り(防水用のコールタールで黒く塗っています)のアトリエと、内部から望める丸太と丈をモチーフにした数寄屋造りの住居で構成されています。

天井の高い、西洋モダンのアトリエ棟と、純和風の美しい木造住宅部分。
中庭には自然の湧水を利用した素晴らしい水庭もあります。
なんとも不思議な和洋折衷ですが、実際に拝見してみると、とてもしっくりくるのです。

彼自身「アサクリック」と称した、独特の様式や居室のたたずまいは、一つの大きな朝倉芸術作品といえるでしょう。

「アサクリック」とは、朝倉文夫自身が作った造語。
おそらく、アサクラ+テクニック=アサクラ流技術という事でしょうか。
私はてっきり、アサクラ+トリックかと思ってしまいました。
トリックなんて、それじゃあまるで忍者屋敷・・・?


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後姿


アトリエの屋上庭園からは、先ほど紹介した建物正面屋上に座っている作品の後姿を眺めることができます。

屋上に庭園があること自体驚きなのですが、なんと大木まで植わっています。
当時、朝倉文夫が彫塑塾を開校していたときに、屋上庭園を園芸の授業のため使用していたそうです。
野菜なども栽培していたそうで、土が浅かったため大根などが直角に曲がってしまったんだとか。



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谷中の街を一望


高い建物がないって、気持ちいい。

写真は3階建てのアトリエ屋上ですが、2階にある東洋蘭の温室として使用していた「蘭の間」には、猫を題材とした作品が展示されています。
彼は動物、特に猫をこよなく愛し、多いときには自宅に15匹程の猫を飼っていたそうです。
猫に囲まれ、幸せそうな表情をした写真もありました。


「たま」「吊された猫」「よく捕たり」など、思わず頬がゆるんでしまうような猫のしぐさのほんの一瞬を見事に捉えたものばかり。
猫が大好きで、常にじっくりと観察していたからこそ創り出せた作品なのだと感じました。


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「雲」


正面玄関の右側に佇んでいる「雲」という作品。
浅草寺の境内にも設置されているそうです。

谷中霊園沿いにぐるっとまわって、旧アトリエがある裏玄関へ。


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裏玄関


旧アトリエの屋根に佇む作品が垣間見えます。


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朝倉彫塑館は2001年に彫塑館の建物全体が国の登録有形文化財に登録されました。
さらに2008年、庭園が「旧朝倉文夫氏庭園」として国の名勝に指定されました。

彼の作品はもちろんのこと、建物自体も大変ワクワクするものでした。
建物自体が彼の大きな芸術作品だと感じます。


奇を狙ったわけではなく、造りは独特でもどこかしっくりと調和している・・・そのさりげないアサクリックには感動!
まるで、ちょっとした大人のアミューズメントパークでした。

少しでも興味を持たれた方、是非ゆっくりと時間をとって訪れてみてください。





■スポット情報案内


住所 東京都台東区谷中7-18-10
    地図
時間 9:30-16:30
電話 03-3821-4549
休館日 月・金曜(祝日の場合は翌日)
     年末年始(12月29日-1月3日)
料金 一般 400円
    小中学生 150円
山の手線日暮里駅北口改札西出口から徒歩3分






















at 20:40│Comments(3)TrackBack(1)★上野・谷中 

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1. 僕はここです!  [ がらくたすけっち1001 ]   2008年06月12日 18:52
賞味期限切れが続きます。赤〇の次は吉〇、御〇餅・・・ 一体どこまで行ったら止まるのか、腐ってます。(消費者を)なめないでください。        あの、、私は画像をちょっと温めていただけ。。                    覚えていらっ...

この記事へのコメント

1. Posted by 原村   2008年06月10日 21:56
朝倉彫塑館とは通ですね。
高校時代の美術の先生が、彫塑館とブリジストン美術館に通うような感性の持ち主になれと、言われたのを思い出しました。
前は通ったことがありますが、中に入ったことがありません。
彫塑館もブリジストン美術館もです。
ハシビロコウさんの感性に乾杯。
2. Posted by naoko   2008年06月12日 18:59
うぉーうぉー 嬉しいなっ☆
元ジモティです、
思わずTBしちゃいました~♪
楽しいですよね、空間全部が
作品も建物も庭園も、屋上さえも。(笑)
高い建物なかったのですが、最近駅付近の開発が進みビルが建つぅ。
この辺りの変貌ったら、、と昔を知る私はちょっと寂しいのですが。
ここで終わるハシビロコウさんではありませんよねぇ。(笑)
お団子かなぁ、、、
3. Posted by ハシビロコウ   2008年06月12日 19:46
naoko さま
コメント&TBありがとうございます。
そうそう!naokoさんのブログで紹介されていたのを拝見して、
屋上で座っている「僕」に激しく心動かされたのを覚えています。
今もnaokoさんは素敵な処にお住まいですけれども、
なんと地元なんですかっ!!
このあたりの雰囲気、人間味に溢れていて大好きです。
ずっとこのままで・・・と願うばかりですが、
再開発の波が押し寄せていて切ないですね・・・。
実は、稲村シェフのショコラ専門店
「ショコラティエ イナムラ ショウゾウ 」さんでお茶してきました。
写真撮影NGだったので、記事にはしないのですが。
お味はもちろん、心温まるホスピタリティーにえらく感動しちゃいました。
稲村シェフ、素敵です。
そして、おつりはピン札です!驚
あぁ・・・書きたいネタが山ほどあるというのに、なかなか更新できません。
naokoさん、手伝ってください~笑。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
akagera さま
コメントありがとうございます。
お返事遅くなってしまいました・・・。
おおーそうだったのですね、私はテレビで紹介されているのを見て、
いつか行って見たいと思ったのですが、
その番組の紹介の仕方が上手かったからなのだと思います。
しかも、偶然、目的地の近所だったという事で、訪れる機会をもらいました。
想像以上にワクワクさせてくれる場所でしたよ。
akageraさんも機会があれば是非!
そして、朝倉さんは私と同郷(大分県)ということをココで知りました。
なんということでしょう・・・・。
面白いことに、私の小学校の同級生の友人と伺ったのですが、
他にも大分県人と思われる人が
朝倉さんについての年譜を見ながら大分について語っていました。
大分県人会でも開けそうでした笑。
ブリジストン美術館については、
私も目の前を通り過ぎたことしかないんです。
機会があれば行ってみようかな・・・。

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